ファミコンの画面比率は「4:3」ってことは知ってる人が多い気がするんだけど、1ピクセルあたりの比率まで意識してる人は、ほとんどいない説...(+'-')φ_
結論
結論から書くと、1ピクセルの比率は、ほぼ「8:7」。
つまり?
レトロフリークなどのエミュレータでファミコンのゲーム画面をキャプチャした画像は、「横8倍・縦7倍」にすれば実機の比率に修正することができる。
「256x224」が元サイズだと「2048x1568」になる!😉
・・・なんだけど
色々とややこしい話がてんこ盛りなので、纏めておこうと思った...(*˘ω˘)φ_
目次!
ファミコンの解像度
ファミコンやスーパーファミコンの解像度は基本的には「256x224」です。
(エミュレータでスクリーンショットを保存した事がある人なら知ってると思うけど、256x240ってサイズになるときなどもある。この理由は後述する)
正確には(wikiより)
ファミコンの表示画素数は、「横256ドット×240ライン」(240ラインのうち上下端の数ラインはRF出力ではまともに表示できず、実質的には224ラインほどが有効)。
スーパーファミコンの解像度は、ノンインターレースだと「256×224, 512×224, 256×239,
512×239」。インターレースだと「512×448, 512×478」。
ちなみに、レトロフリークだと
ファミコンは、「240x224」←?
スーファミは、「256x224」
ってサイズで保存されている。
256x224 だと…
比率が4:3ではない。
ファミコンのグラフィックデータは、テレビに表示する時に横に引き伸ばされてるぽくて、なんでこんな処理をしているのかまでは知らないんだけど、とにかくそうなってる。
だから、キャプチャした画像を実機の比率にするには、画像ソフトなどでリサイズしてやる必要があるのだけど…。
迂闊にリサイズすると…
整数倍してやらないと、各ピクセルで歪が生じてしまう。例えば…
よく見るとすぐ解ると思うけど、
正方形と長方形のドットが混在している。公式がこんな画像をアップしているのはちょっとダサいと思った…(こなみ)
ついでに指摘しておくと、補間方式でリサイズしてるからドット間が少し滲んでいる…。
そんなに気にするほどのことか?って思う人もいるかもしれないけど、部分的に歪むと、同じオブジェクトなのにサイズが違ってくるということが起きるのである。
ってことで
「256x224」の画像を、整数倍にしつつ、かつ4:3になるように計算してやると「1792x1344」ってサイズになる(1ドットの比率は「7:6」になる)。
ところが…
どうもこれは違うみたい…( =ω=)
7:6でも割といい感じではあるんだけど…🤔
8:7らしい!
調べてみたら、8:7とのこと(+'-')φ_
参考サイト
MAME(エミュレータ)や信用できるとは限らない情報源を参照していると注意書きがあったけど、表の8:7のところに
NES(ファミコンのこと), Super NES と記載されている。
「単純に4:3にした画像」と、「1ドットが8:7になるようにリサイズした画像」を実機で比較検証しているサイト(わかりやすい)。
海外の掲示板で、8:7だという話題が出てた。英語なので何の話をしているのか少し分からない部分が多かったけど、一応参考までにリンクを…(;
˘ω˘)φ_
ところが…
「256x224」の画像を、1ドットが8:7になるように横8倍・縦7倍にすると「2048x1568」というサイズになるけど、この画像の比率は4:3ではない…。
これはこれで正しいのか?って疑問が出てきたのである(+'-')φ_
検証だ!
ってことで検証してみることにした(
>д<)<適当に撮ったので画質は目を瞑って!
表面が曲面になってるブラウン管テレビでの写真
フラットタイプのブラウン管テレビ
(正面からだとどうしても綺麗に撮れなかったので斜めから撮影)
とりあえず、2台のブラウン管テレビで撮影して比較してみたけど、だいたい表示されている画の範囲は同じだと思われる🧐.oO(フラットの方がやや下部が見えてるけど)
比較!
で、エミュレータでキャプチャした画像を「2048x1568」にリサイズして比較してみると…🧐
比較したら、実機では表示されていない部分が上下部分に少しあった。
で、試しに画面比率が4:3になるように、上下部分(赤い部分)を削って「2048x1536」にしてみたら、実機での表示に限りなく近い感じに…!?
つまり…?
「256x224」のスクリーンショットは、補間無しのリサイズで「2048x1568」にした後で、上下16ピクセルずつ削って「2048x1536」にしたら良い!
…んだけど、よっぽど画像比率を4:3にしたい時でもない限り、「2048x1568」でもいいような気もする…(
˘ω˘)φ_
となると…
ファミコンの表示解像度は「256x224」って言われてるけど、実際に表示されている部分は 224px も無いということに。
でも「2048x1536」から逆算してみると、「256x219.4285714285714...」と割り切れないので、上下をカットする場合はリサイズしてから削った方が良い(*^-')b
レトロフリークの謎
ところで、レトロフリークでファミコンのゲーム画面をキャプチャすると「240x224」というサイズで保存されている。(スーパーファミコンは256x224で保存される)
参考までに、レトロフリークと VirtuaNES
っていうエミュレータでキャプチャした画像を並べて見た。見た通り、なぜかレトロフリークは一回り小さい画像になってる。
縦が224px なのはよいとして、横が240px になっている…。
VirtuaNES の方は「256x240」になってるけど、これはファミコンは実際には
縦240px のデータを持ってて、でも実際に表示されてるのは 224px
までということらしい。ゲームによっては
縦240pxぎりぎりまで描画データがあるゲームもあったりする(実機では表示されないのに)。
例
例えば、コナミの「がんばれペナントレース」。ウィンドウ枠が上下端ギリギリまで描画されているけど、この部分は実際には表示されない。
それと…
色が全然違うことにも気づいたと思うんだけど、これに関しては後述する(+'-')φ_
レトロフリークのゲーム画面
レトロフリークを、液晶テレビで表示した時の画面を写真に撮ってみた。表示領域は、レトロフリークでキャプチャした画像と同じで、それを元に引き伸ばされている🧐
レトロフリーク+液晶テレビ(直撮り)
一応、液晶テレビの画面での寸法を測ってみたけど、「820x615mm」でぴったし「4:3」になっていた(+'-')φ_
つまり…?
横が切れた状態のまま4:3に引き伸ばされているので、実際の比率より、やや横に引き伸ばされて表示されてしまっている…(汗)
実機で撮影した写真(ブラウン管テレビ)
(ちょっと写りが良くないけど)この実機の写真と比較したら、レトロフリークの方は若干さらに横に伸びてるのが分かると思う。(SBOの黒ウィンドウの縦横比率を見比べたら解りやすいかな?)
これはいったいどういうことなのか…?🤔
ファミコンの両端処理の仕様
の「なぜエミュレータには224px設定が付いているのか」という考察をよると、
ファミコンは上下のスクロール中は両端が乱れるので、そこを隠すために224pxって設定があり、これがファミコンは「256x224」ということになってるのでは?
という話とともに、横スクロールの時の「スプライトの表示」に関しての言及もしていて、詳細は上記サイトを読んでほしいけど、簡単に言うと、
横8pxのスプライトが X座標249~255
の位置にある場合は、スプライトの一部分が見える表現ができるけど、左端だと同様の表現ができない。
とのこと(たぶんマイナス座標にスプライトを配置できない)。
参考画像
VirtuaNES で検証してみた。
2.逆に右側だとスクロール中もまだ表示されている。
でも、ここまでスクロールしたら消えたけど。
ゲームによって違う?
FF2だとこんな感じだったけど、ゲームによっては処理が違うぽい?
スーパーマリオブラザーズの場合は、
左8px部分は表示が消えてた。
DQ3の場合
DQ3は、左8pxを黒フチで覆うことで、左端でもスプライトを部分的に表示できるようにしているみたい?
レトロフリークの場合
レトロフリークでも一応確認してみたけど、横240pxまでしか表示していないので、上記の欠けている部分は当然表示されていなかった。
レトロフリーク+液晶テレビ(直撮り)
もしかしたらレトロフリークは、この部分を非表示にするために、両端を8pxずつ削って横240pxにしているのかな…?と(右を削る必要はないはずなんだけど、そうするとファミスタの画面を見たら解ると思うけど、左右非対称になるゲームが出てくるからかな…?)
ただ、そういう処理にするのなら、幅240に削った状態で4:3にしては絶対にダメなわけで…(困惑)
エミュレータによって色が違う件について
レトロフリークと VirtuaNES で色が違う件なんだけど、こういうことらしい。
つまり…?
エミュレータによってパレットの色が違うから。
VirtuaNES
に関しては、テレビで見た時の色をなるべく再現したパレットを採用してるとのこと(知覚的?)。
比較画像を見てみると、確かにスライムベスの印象は VirtuaNES
が一番しっくりくる。
でも、上記サイトでも述べられているように、テレビの種類によっても若干色が違ったりするので、人によっては印象は変わるカモしれない(詳細は上記サイトを参照)。
レトロフリークは?
レトロフリークの色はかなりビビッドな感じがして、一見すると鮮やかで綺麗な印象を受けるんだけど、これは実際には正しい色ではない気もする。
ちなみに、当時のファミコンは「RFユニット」という信号が劣化する端子で接続していたから、
RGBで繋げた時が正しいなんてことだけはありえないと思います。まぁレトロフリークが元データの色情報のまま出力してるのかどうかまでは分からないんだけど。
当時の制作環境について
FFの渋谷員子が言ってたんだけど、当時の制作環境は、PCモニタの横にブラウン管テレビが置いてあって、PCで打ったドットを隣のテレビですぐ確認できるような機材があったとのこと。
だから当時のドッターは、テレビで表示された色や形を確認しながらドットを打っていたはずなのである(そういう環境じゃなかった会社もあるカモなんだけど…)。
余談
正しい色問題の話題は、ゲームに限らずアニメでもあるみたいで、
『セルアニメに関してはフィルムの特性を見ながら美術制作や色彩設計を行なってきたため、後年のリマスター作業において生のセルと背景の再現を目指す風潮に対して「なんでも綺麗になることが正解じゃない」と苦言を呈している』
要するに?
ゲームも、実際のテレビの特性を見ながら色の設計をしていた人もいるはずなので、元データの色がデザイナーの意図としている色ではないということはあると思います(+'-')b
あとがき
ここからは、個人的な見解を綴った駄文なので読まなくてよいんだけど、
動画サイトにアップされているファミコンなどのゲーム動画を見てると、
ドットバイドットの比率のままだったり(エミュレータでキャプチャした画像の比率)、現在の液晶モニタの主流である16:9に引き伸ばした画面だったりするのを見かけるんだけど、本来の正しい4:3の比率で動画を作るべきでしょ…って思っていて。
(;˘ω˘).oO(レトロゲームの紹介や解説をしてるような動画で比率が狂ってたりすると、もう眩暈すら起こしそうになるわけで…)
なにが問題か?
比率が狂ってると問題な理由っていくつかあるけど、例えば「正円/正方形」として設計してるオブジェクトが、楕円/長方形になってしまうってだけでもあかんでしょ?
…って思うんですよね( ; ˘ ω ˘ )
イトケンとクイックタイムの話
ロマサガ2で、クイックタイムという術を使ったら
戦闘時のBGMが早送りになるんだけど、
伊藤賢治は後でそれを知って「勘弁してぇ!」って思ったらしいんだけど、これに通じる話かなぁとは思う(+'-')φ_
作曲者は、色々と考えた上で楽曲のテンポも決めているだろうから、そりゃ想定外のテンポで演奏されたら困惑するだろうなぁ~。って話と同様で、
デザイナーが、比率を計算して設計するなんてのも当たり前の話なので、そこを勝手に崩すのは失礼極まりない行為なんじゃないでしょうか…?
バブルボブル
泡のドットデータを見てみると、「14x16」で少し縦長の楕円形になってるんだけど、これを1ドットの比率が8:7になるように拡大してやると「112x112」になって限りなく正円に近い形に…!?🧐
計算されている…!?
当然、ドットバイドットでの比率や、16:9に引き伸ばしたりなんてしたら、せっかく計算されて描画された泡の形が崩れてしまう。
だから、レトロゲームは「4:3」の比率でプレイすべきなのである…!(確信)
ところが…
例えば、グラディウスⅡなんかは、ちょっと変なのである…🧐
256x224 の場合(原寸だと小さすぎるので拡大してある)
どう見ても、256x224 の比率で惑星が正円に見えるのである…🧐
実機比率に補正した場合
4:3の比率に修正すると、明らかに惑星が楕円形になってしまう(念のため、実機でも確認したけど同様だった)。
グラディウスⅡのドッターは、引き伸ばされるのを計算せずにドットを打っていた可能性…?🤔
アーケード版グラディウスⅡ
ちなみに、アケアカ版のグラディウスⅡも、よく分からない感じになってる。
他にも
個人的には、ドラクエなんかもちょっとアヤシイ気がするんだけど、これについては確証が持てない…🤔
biim兄貴の動画
biim兄貴はどういう判断でこういう処理にしたのか...?🤔
となると…
4:3の比率ではなく、ドットバイドット時の比率の方が正しいゲームも存在する可能性が…?(ゲームによってはドットバイドットの比率でプレイすべきなのかなぁって気もしてきたり…)
FINAL FANTASY ピクセルリマスター
なんでドットバイドットの比率のまま制作しているの?ってところ。
これのせいで、FF2のマリアの顔グラフィックなんかも妙にほっそりしてしまってるし、マリアだけでなく他のグラフィックの違和感もすごいことに…。
今の液晶モニタ用に作り直すなら、少し横幅を広めてドットを打ち直さないといけないと思うし、そうしないとリマスターする意味すらないとまで思うんだけど、なぜかドットバイドットの比率のまま制作されている…。
渋谷さんはブラウン管テレビを見ながらドットを打ってたと公言しているので、当時は実際の表示がやや横に伸びることを計算して……制作してなかったんでしょうか?🤔
これについて指摘してる人を見たことがないんだけど、かなり大問題だと思うんですよねこれ…(まぁPR版は
システム部分が酷すぎてグラフィックの話題どころではないってところも…あるのかなぁ(汗))。
ドットグラフィックの2Dゲームについて
誤解無きように言っておくと、2Dドットのゲームを作るときは、1ドットを8:7にすべき!と言ってるわけでは当然ありません。
UNDERTALE
のような、近年リリースされている2Dドット絵のゲームは、今の時代の、というか今の液晶モニターで作られた
新しいピクセルアートのゲームだと思うし、
また、それらのゲームがファミコンみたいなグラフィックと言われると妙な違和感があって、最初はファミコンはあんなにドットのエッジがくっきりしていなかった(少し滲んでいる)からかな?って思ったんだけど、比率からして違うからかな?とも思ったり。
ただし…
ファミコン風のゲームやドット絵などを作るのなら、ドットの比率を8:7にしないと雰囲気は出ないんじゃないかなぁ、とも思ったり。
さらに余談
このゲーム画面の比率(ドットの比率)の話とは別に、当時のファミコンのゲーム画面は「ドットがパキパキにくっきりしていなかった問題」もあって、
動画サイトでレトロゲームの動画を見てると、ドットがくっきりした動画ばっかりなので、当時を知らない人にしたら、当時の人もああいう画面でゲームをしていたって勘違いするんじゃないかなぁ…?と危惧したりもしていて…(;
˘ω˘).oO(まぁこの話題は別件なので、また別の機会に…)
Natural CRT
POLYMEGAのバーチャルディスプレイ
なかなか良さげだと思った(こなみ)